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さっぽろホワイトイルミネーション 冬の札幌、市内中心部に彩りを加える

さっぽろホワイトイルミネーション

札幌市は人口約200万人、日本国内で5番目(東京都含む)の人口を擁する都市で、適度な規模と利便性、冷涼な気候が好まれ、毎年行われる日本国内の調査で「住みたい街」の上位を獲得しています。

その札幌、人口100万人以上の都市で最も雪が降る街としても有名で、同程度の人口を持つカナダのモントリオール(年間降雪量約2m)や、2.5倍の人口を持つロシアのサンクトペテルブルク(同約3m)を抑え、札幌は約6mと群を抜いています。
このため、冬のイベントが数多く開催されており、「雪まつり」や「冬季オリンピックの開催地」など、冬や雪のイメージが定着しています。

とは言え実際に生活してみると…、冬の間、ほぼ毎日の除雪とたまの車の掘り出し、外出の際は目的地まで夏の2~3倍の時間を予想しなければならず、雪はなかなかの厄介者。
反面、市内にはスキー場やジャンプ台、露天のスケートリンクもあり、ウィンタースポーツを楽しむにはこの上ない環境が整っています。
他に無いものが特徴となり、特徴は往々にして長所にも短所にもなり得るものですが、雪の多い札幌だからこそ、市民それぞれに活かし、楽しむ事で長い冬を乗り切っていると言えるのかも知れません。

大通公園会場:1区画ごとにテーマが設けられたメイン会場。

札幌の中心部を東西に横切る大通は、東西線、南北線、東豊線と、札幌にある3つの路線の地下鉄が交わる場所。1丁目から13丁目までが、長さ1.5km、幅65mの公園になっていて、夏は噴水と緑あふれる憩いの場として市民に親しまれています。

「ホワイトイルミネーション」では、1丁目から6丁目が大通公園会場。1区画ごとに、テーマが設けられ、それぞれのテーマに合わせてオブジェデザイナーがデザインした、色合いの異なる特徴的なオブジェが設置されています。

大通り1丁目にあるテレビ塔の展望台(地上約90m)から、会場のある公園、西側を見渡すと、イルミネーションに彩られた会場全体と周囲のビルの光、さらに札幌の街の明かりが続き、正面奥には大倉山シャンツェ(大倉山ジャンプ競技場)がライトアップされている様子が窺えます。

他のイルミネーション会場が2月や3月まで開催されるのに、大通公園会場がクリスマスで終了する理由は、「雪まつり」の準備があるから。年が明けると、札幌市内各所、遠くは中山峠などから綺麗な雪の搬入が行われ、雪像の造成が開始されるのです。
1か月間と短い開催期間ですが、それだけに見どころが盛りだくさん。出来る事であれば、一度はこの1か月の間にお越し頂きたい、そう感じさせる大通会場です。

大通公園会場データ

開催期間:2023年11月22日(水)~12月25日(月)
開催時間:16:30から22:00まで
※12月23日~25日の期間のみ24:00まで
※会期中、予告なく点灯時間が変更する場合あり

大通り1丁目「羽ばたきの『ウィッシュ・バーズ』」

札幌市役所や時計台から近く、テレビ塔のある大通1丁目。テレビ塔前の広場に、美しく装飾された大きなツリーが出迎えます。
このツリー、ホワイトイルミネーションの時だけ設置されているのではなく、この場所に植えられている「アカエゾマツ」の木。暖かい色合いのゴールドを基調としたイルミネーションやオブジェで飾られ、後ろに見える青い光を纏ったテレビ塔とのコントラストが際立ちます。
ツリーの前面には、札幌市の鳥「カッコウ」を模したオブジェが飾られ、記念撮影スポットとしても人気です。

大通り2丁目「Gift of Snow」・「ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporo」

1丁目と合わせて「国際交流ゾーン」と位置付けられている大通り2丁目。
2002年にドイツ・ミュンヘン市と札幌市との姉妹都市提携20周年を記念して始まり、以降、22年間にわたって「ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporo」が開催されています。
会場のちょうど真ん中に「Gift of Snow」のオブジェが設置され、その周りにクリスマス雑貨などを販売するブースと、ドイツらしい食べ物や飲み物を販売するブースが並びます。
イルミネーションも含めて楽しまれたい方は、夜の時間帯一択ですが、グッズがお目当ての方は、ゆっくりとお買い物を楽しめる昼間の時間帯がおススメです!

大通り3丁目「彩りの『ウィンター・ブロッサムズ』」

大通り3丁目は公園中央に噴水が設置され、夏の間、涼を求める市民に愛されています。
期間中、札幌や北海道に関連する花、ライラック、スズラン、ハマナスをモチーフにしたオブジェが設置され、2023年からは5色に変化する演出も加えられています。
特に中央に設置された大きなライラックのオブジェは人気で、記念撮影をされる方が途切れません。西側には、中に入る事が出来る写真撮影用のオブジェも設置されて賑わいを見せています。

大通り4丁目「夢見る『スノー・ファンタジア』」

札幌駅からススキノに抜けるメインストリート「札幌駅前通り」に面し、3丁目と並んで人通りの多い場所。夏には水をたたえる中央の噴水も、今はイルミネーションで飾りつけられ、それをぐるりと取り囲むように、光の粒で覆われたトンネルが設置されています。
トンネルは時間を置いて青白い光が明滅し、雪の回廊を演出、中に入ると光に包み込まれるような感覚を味わえます。
もしイベントに来られたら、このオブジェは必ず訪れて頂きたい、お薦めの撮影スポットです。

大通り5丁目「星降るコズミック・スクエア」

大きなオブジェは無いものの、周囲の人の動きに反応して、青い光を発し始める背丈ほどの透明な球体が複数設置されています。
球体の中にはミラーボール(シャイニングボール)があり、照明の光と共に周囲の光も反射して会場全体を幻想的な雰囲気に演出。少し離れて見渡すと、左右に設置されたオレンジ色のオブジェや、奥に見える4丁目の光のトンネル、テレビ塔の青いイルミネーションが、うっすらと青く浮かび上がるオブジェとあいまって、異世界にいるかのような光景が楽しめます。

大通り6丁目「煌めきのエメラルド・フォレスト」

会場全体が木々に覆われている6丁目。地図サービスで見てみてもその様子が窺えます。
ここに設置されているのはエメラルドグリーンのイルミネーションで作られた迷路。
迷路が発するグリーンの光が、雪や木に反射して会場全体を緑色に輝かせています。
会場の中心となる2丁目から離れる事もあり、訪れた日は人影もまばら。喧騒を離れ、静かな雰囲気の中、ゆったりとイルミネーションが楽しめるのもおススメです。

駅前通り会場:札幌駅から大通公園を抜けてすすきのまで続く。

札幌駅から中島公園までを南北に結ぶ札幌のメインストリート「札幌駅前通」。
駅前通のうち、会場として利用されるのは、札幌駅南口からすすきのまで続く約1.5km。片側2車線の道路に挟まれた中央分離帯の街路樹に、22万個のイルミネーションが飾り付けられます。
この区間、現在は地下街で繋がって快適に移動出来るようになりましたが、2011年までは札幌駅から大通りの間に地下街が無かったため、札幌市民の中には、こちらの方がホワイトイルミネーションの会場として馴染み深い方もいらっしゃるのでは。
おすすめは大通公園からすすきのまでの区間。通りを挟むように建つビルも、思い思いに冬の装いが施され、イルミネーションの木々と共に夜の駅前通りを彩ります。

駅前通り会場データ

開催期間:2023年11月22日(水)~2024年2月11日(日)
点灯時間:16:30から22:00まで
※12月23日~25日の期間のみ24:00まで

南一条会場:札幌のショッピングゾーンに隣接し、華やかさが特徴。

南一条通会場は、駅前通りから創成川まで東西に続く約400m。距離としては短く感じられるものの、通りの左右の街路樹「イチョウ」を飾るLEDは7万個以上。
白やゴールドのイルミネーションに、デパートなどのショーウィンドウの明かりが合わさり、明るく賑やかな雰囲気が道行く人を楽しませています。

南一条会場データ

開催期間:2023年11月22日(水)~2024年2月11日(日)
点灯時間:16:30から22:00まで
※12月23日~25日の期間のみ24:00まで

北三条広場(アカプラ)会場:赤レンガ道庁を奥に臨む。

北三条広場(アカプラ)会場は、札幌駅前通りから赤レンガでおなじみの「北海道庁旧本庁舎」に延びる歩行者専用スペース。
通りの両側に立つ北海道最古の街路樹であるイチョウ並木に、白や青のイルミネーションが飾られるとともに、広場自体もライトアップされています。

現在、赤レンガ庁舎は2025年まで、屋根の葺き替えやバリアフリー化などの工事中。駅前通りから奥を望むと、普段であれば特徴的な庁舎がライトアップされて浮かび上がるように見えますが、現在はシートに描かれた絵の庁舎が出迎えてくれます。

北三条広場(アカプラ)会場データ

開催期間:2023年11月22日(水)~2024年3月14日(木)
点灯時間:16:30から22:00まで
※期間中、日没時間に合わせて開始時刻を変更

札幌駅南口駅前広場会場:色鮮やかなオブジェが撮影スポットにオススメ。

南口駅前広場は、イルミネーションと共に、赤、グリーンの花をモチーフにしたドームやブルー、オレンジのアーチなどが飾られ、流れる音楽と共に変わる光の演出で、訪れる方を楽しませています。
他の会場よりもコンパクトではあるものの、全ての会場の中で最も豊富な色合いを見せるオブジェは、撮影スポットとしてとてもおススメです。

札幌駅南口駅前広場会場会場データ

開催期間:2023年11月22日(水)~2024年3月14日(木)
点灯時間:16:30から24:00まで
※期間中、日没時間に合わせて開始時刻を変更

初開催から40年、75万個のイルミネーションが訪れる市民や観光客を笑顔にする。

「さっぽろホワイトイルミネーション」は、「札幌の冬を笑顔に」をキャッチフレーズに冬の夜に開催される札幌の名物イベント。
1981年に1000個程度の電球で始まり、その明りを電球からLEDに変えて約75万個に。
初開催から40年以上経ち、開催期間中は「ミュンヘン・クリスマス市」や「さっぽろ雪まつり」も重なり、大通公園をメイン会場として、半径約700mに全部で6つの会場を設け、真っ白い雪に覆われた市内中心部に賑やかな彩りを加え、訪れる市民や観光客を今年も楽しませています。

最近は海外から来られる方も増え、ウィンタースポーツ以外の楽しみ方、雪国文化の発信も求められるようになりました。
冒頭に書きました札幌市民の「雪ぼやき」を垣間見つつ、ホワイトイルミネーションや雪まつりなども楽しみに、是非、冬の北海道、札幌にお越しください。